工業的製法⑤「接触法」

こんにちは!

 

chem(ケム)です!

 

 

接触法ってなに?」

「暗記しててちゃんと理解してないよ…」

 

そんなあなたに!

 

今回は

接触

を詳しく紹介していきます!

 

接触法とは何か

 

 

接触法とは、

工業的に硫酸を大量生産する方法です!

 

 

少し接触法の歴史について話すと、

 

錬金術の時代、古代から中世頃

金属を溶かす液体」として硫酸が発見されました!

錬金術師の仕事部屋 | HOUSING SNAP

 

硫酸の金属を溶かす性質と言えば

不純物の混ざった銀や金を純度の高い状態にできます。

 

この性質から、硫酸は錬金術の時代から重宝されてきました

 

このことから、

より効率的に硫酸を作る技術が研究されました。

 

そんな研究の中で発見された大量の生産方法が、

硫黄を燃やすことでできるSO2を触媒のV2O5

接触」させてSO3を作る接触法なんです!

酸化バナジウム  に対する画像結果

 

 

「なんでV2O5を使うの?」

 

 

と疑問に思うと思ったと思いますが、

この触媒が見つかったことこそ接触キモなんです!

 

V2O5を用いる接触法が発見されたのが1915年。

 

長年の研究の末、見つかったこの製法が

100年以上たった今でも利用されています。

 

接触法の仕組み

 

接触法は大きく三段階で製造されています。

 

それらを段階ごとに見ていきます。

 

1,硫黄または黄鉄鉱を燃やしてSO2を作る

 

まずは、硫黄、または黄鉄鉱を燃焼させてSO2を取り出します。

それぞれの反応は以下の通りです。

 

S+O2→SO2

または、

4FeS2+11O2→2Fe2O3+8SO2

 

昔は、黄鉄鉱からSO2を取り出していました。

 

しかし、現在は工業廃棄物から脱硫酸装置を使って、

硫酸を取り出すことが得きるので、

硫黄の燃焼で、SO2を生成しています。

 

 

2,酸化バナジウム(Ⅴ)を触媒として空気酸化する

 

1で得たSO2を空気中の酸素によって酸化させることで

SO3を得ます。反応は以下の通りです。

 

2SO2+O2→2SO3

 

この反応は活性化エネルギーが非常に高く、

反応がとても進みにくいので

触媒として酸化バナジウムを入れ、活性化エネルギーを下げることで、反応を進みやすくしています

 

また、この反応は可逆反応で、正反応(SO3が生成する反応)発熱反応なので、逆反応(SO2に戻る反応)が起こりにくく、かつ正反応が進みやすい温度(200~600℃)に調整する必要があります。

 

 

3,濃硫酸にSO3吸収させて発煙硫酸とし、

それに希硫酸を加えて濃硫酸を作る

 

最後に、2で得たSO3濃硫酸に溶かして発煙硫酸とし、これを希硫酸で薄めて濃硫酸にします。

 

発煙硫酸とは、濃硫酸に過剰にSO3吸収させたもので、常にSO3の蒸気を出しているのでこの名前が付けられています。

 

 

ここで、「SO3を水に溶かせばいいんじゃない?」

と思う人もいるでしょう。

 

SO3を直接水に吸収させると、

大量の発熱が起きてしまい水が沸騰してしまいます。

 

すると生じた水蒸気にSO3が溶け、空気中に分散してしまいます。

 

そこで、発熱をできるだけ抑えるために、

濃硫酸にSO3を溶かし、

濃硫酸中の水にSO3をゆっくり吸収させます。

 

その後、希硫酸で薄めることで所定の濃度で濃硫酸を作ります。

 

つまり、ここでのSO3と水との反応式は以下の通りです。

 

SO3+H2O→H2SO4

 

 

接触法は各反応や全体の反応を問われたりするので

きちんと整理しておくようにしましょう!

 

 

最後までご覧いただき

ありがとうございました。