こんにちは!
chem(ケム)です!
「接触法ってなに?」
「暗記しててちゃんと理解してないよ…」
そんなあなたに!
今回は
接触法
を詳しく紹介していきます!
接触法とは何か
接触法とは、
工業的に硫酸を大量生産する方法です!
少し接触法の歴史について話すと、
錬金術の時代、古代から中世頃
「金属を溶かす液体」として硫酸が発見されました!
硫酸の金属を溶かす性質と言えば
不純物の混ざった銀や金を純度の高い状態にできます。
この性質から、硫酸は錬金術の時代から重宝されてきました。
このことから、
より効率的に硫酸を作る技術が研究されました。
そんな研究の中で発見された大量の生産方法が、
硫黄を燃やすことでできるSO2を触媒のV2O5に
「なんでV2O5を使うの?」
と疑問に思うと思ったと思いますが、
この触媒が見つかったことこそ接触法のキモなんです!
V2O5を用いる接触法が発見されたのが1915年。
長年の研究の末、見つかったこの製法が
100年以上たった今でも利用されています。
接触法の仕組み
接触法は大きく三段階で製造されています。
それらを段階ごとに見ていきます。
1,硫黄または黄鉄鉱を燃やしてSO2を作る
まずは、硫黄、または黄鉄鉱を燃焼させてSO2を取り出します。
それぞれの反応は以下の通りです。
S+O2→SO2
または、
4FeS2+11O2→2Fe2O3+8SO2
昔は、黄鉄鉱からSO2を取り出していました。
しかし、現在は工業廃棄物から脱硫酸装置を使って、
硫酸を取り出すことが得きるので、
硫黄の燃焼で、SO2を生成しています。
2,酸化バナジウム(Ⅴ)を触媒として空気酸化する
1で得たSO2を空気中の酸素によって酸化させることで
SO3を得ます。反応は以下の通りです。
2SO2+O2→2SO3
この反応は活性化エネルギーが非常に高く、
反応がとても進みにくいので
触媒として酸化バナジウムを入れ、活性化エネルギーを下げることで、反応を進みやすくしています。
また、この反応は可逆反応で、正反応(SO3が生成する反応)が発熱反応なので、逆反応(SO2に戻る反応)が起こりにくく、かつ正反応が進みやすい温度(200~600℃)に調整する必要があります。
3,濃硫酸にSO3吸収させて発煙硫酸とし、
それに希硫酸を加えて濃硫酸を作る
最後に、2で得たSO3を濃硫酸に溶かして発煙硫酸とし、これを希硫酸で薄めて濃硫酸にします。
発煙硫酸とは、濃硫酸に過剰にSO3吸収させたもので、常にSO3の蒸気を出しているのでこの名前が付けられています。
ここで、「SO3を水に溶かせばいいんじゃない?」
と思う人もいるでしょう。
SO3を直接水に吸収させると、
大量の発熱が起きてしまい水が沸騰してしまいます。
すると生じた水蒸気にSO3が溶け、空気中に分散してしまいます。
そこで、発熱をできるだけ抑えるために、
濃硫酸にSO3を溶かし、
濃硫酸中の水にSO3をゆっくり吸収させます。
その後、希硫酸で薄めることで所定の濃度で濃硫酸を作ります。
つまり、ここでのSO3と水との反応式は以下の通りです。
SO3+H2O→H2SO4
接触法は各反応や全体の反応を問われたりするので
きちんと整理しておくようにしましょう!
最後までご覧いただき
ありがとうございました。