工業的製法③「オストワルト法」

こんにちは!

 

 

chem(ケム)です!

 

オストワルト法聞いたことある!」

「聞いたことあるけど、なんだっけ?」

 

そんなあなたに!

 

今回は

オストワルト法

を紹介していきます。

 

 

オストワルト法て何?

 

オストワルト法

 

1902年、

フリードリヒ・ヴィルヘルム・オストヴァルト

が考案した方法です。

 

 

オストヴァルトは触媒の研究を行い、

肥料や爆薬の大量生産を可能にした硝酸の製法

であるこのオストワルト法を考案しました。

 

実は、この製法の化学反応は

64年も前に知られていましたが、

当時はその原料であるアンモニア

 

大量生産する技法がなかったため注目されていませんでした。

 

しかし、

1900年代後半にはアンモニアを大量生産する

ハーバー・ボッシュ法が考案されたことで

状況が大きく変わりました。

 

この2つの技法を組み合わせることで、

間もなく肥料や爆発物の大量生産が

可能になりました。

 

オストワルト法

現在でも硝酸の工業的製法として重要であり、

 

原料のアンモニアを得るために、

ハーバー・ボッシュ法

同時に行われることが多いんです!

 

 

オストワルト法の原理

 

オストワルト法とは、

白金触媒アンモニアを酸化させることで一酸化炭素を作り、

それを原料に硝酸を作る手法です。

 

その反応は以下のように進みます。

 

①4NH3+5O2→4NO+6H2O
②2NO+O2→2NO2
③3NO2+H2O→2HNO3+NO

 

これらの反応を順番に説明していきます。

①NH3→NO(白金触媒・800℃)

 

まず、アンモニアを酸化します。

アンモニアに酸素を触れさせると

以下の反応が発生します。

 

4NH3+3O2→2N2+6H2O

N2+O2⇄2NO

 

二つ目の平衡反応は、

エネルギ―的にはNOのほうが不安定だから、

右向きの反応は吸熱反応です。

 

だから低温の場合はなかなかNOができません。

 

高温の状態で、さらに白金触媒を使うことで、

二つ目の平衡を右に傾けてNOを作ります。

 

よって、反応式は次のようになります

 

4NH3+5O2→4NO+6H2O

 

このように、「白金触媒・800℃」で平衡を操作することで、

うまくNOを作るのがオストワルト法キモになります。

 

このように目的のものを手に入れるために、

無理やり高温にしたり触媒を使ったりしているため、

反応が想像しづらいと思います!

 

②NO→NO2

①で作ったNOは低温で空気に触れると、

すぐ酸化され赤褐色のNO2になります。

 

2NO+O2→2NO2

 

③NO2→HNO3

酸性酸化物のNO2を温水に吸収させると、オキソ酸であるHNO3

が生成します。

 

3NO2+H2O→2HNO3+NO

 

全体の反応

 

③では、HNO3と同時に生成しますが、

このNOは②の反応により再びNO2として利用するので、

結局すべてのNH3が最終的にはHNO3に変化することになるります、

したがって、全体の反応式は次のようになります。

 

NH3+2O2→HNO3+H2O

 

まとめてしまえば、

一酸化窒素や二酸化窒素を経由しながら、

アンモニアを酸化させて硝酸を得る方法

ということになりますね。

 

このように

化学反応を流れで理解すると

なぜか暗記が楽に感じてきますよね。

 

自分で反応式が書けるようになるまで復習していきましょう!

 

 

最後までご覧いただき

ありがとうございました。