苦手克服!?陽イオンの系統分析

こんにちは!

 

 

chem(ケム)です!

 

「系統分析苦手なんだよな~」

「暗記しないといけないこと多いからヤダ…」

 

そんなお困りのあなた!

 

大丈夫です!

 

今回はそんな

苦手が多い系統分析の陽イオン

に関して紹介していきます。

 

 

陽イオンの系統分析とは

陽イオンの系統分析とは、

水溶液中にどんな金属イオンが潜んでいるか

を分析することを言います。

 

産業革命が進んだ時代、

日本では「水俣病」や「イタイイタイ病」などの、

いわゆる四台公害病が流行しました。

 

これらの原因となったのが、水銀HgやカドミウムCdなどの

重金属を含むイオンです。

 

このように、水溶液中の金属イオンを識別することは、

実用上かなり大事な作業ということです。

 

だから系統分析は古くから科学者取り組んだ分野で、

系統分析の手順はその過程でルール化されていったのです。

 

 

陽イオンの系統分析の方法

陽イオンの分析を適切に行うためには

一定の手順に従う必要があるのです。

 

つぎの手順で大きく6つのグループに分ける系統分析方法が有名です。

f:id:scienc:20230811012736j:image

 

それぞれの段階を確認していきましょう。

 

①HClを入れる

 

まず、塩酸HClを入れることで、

Pb2+、Ag+、Hg22+を沈殿させます。

 

このうち、PbCl2は熱水に溶けAgClは過剰のNH3[Ag(NH3)2]+

となって溶けます。

 

最後まで解けなかったものがHg2Cl2

 

②酸性化でH2Sを入れる

 

HCl酸性下で硫化水素H2Sを入れます。

この時、酸性状態では

H2S⇄2H++S2-

 

上の反応式の平衡が左に進むのでS2-の量が減ります。

極少量のS2-でも沈殿しちゃうようなイオンを

ここで沈殿させているのです。

 

ここで沈殿するのはHg2+Cu2+Cd2+です。

イオン化傾向がSn以下のものとCdが沈殿しています。

 

③煮沸+硝酸→NH3を入れる

 

次にアンモニアNH3を入れて水酸化物の沈殿を作ります。

 

しかしその前に、

Feイオンが硫化水素H2Sに還元されてFe2+になっているので、
煮沸してH2Sを飛ばし、酸化剤である硝酸を入れてFe3+に戻します。

 

そしてNH3を加えることで、Al3+、Fe3+、Cr3+が沈殿します。

 

塩基性でH2S

 

NH3塩基性状態で再度硫化水素H2Sを入れます。

つまり、H2Sによって、Mn2+、Zn2+、Co2+、Ni2+が沈殿します。

 

MnSは桃色沈殿、
ZnSは白色沈殿、
CoSNiSは黒色沈殿です。

 

⑤(NH4)2CO3を入れる

 

残っているのは1族、2族の金属のみです。

(NH4)2CO3を入れることで、2族元素であるCa2+Ba2+、Sr2+

が沈殿します。

 

⑥炎色反応を見る

 

最後に残った金属はイオン化傾向の高いアルカリ金属のみ

沈殿は作れません。

なので、最後は炎色反応で識別します。

 

花火の色のひみつ | キヤノンサイエンスラボ・キッズ | キヤノングローバル

 

 

当然のことながら、一度見ても覚えることはできません。

繰り返し見て、問題演習をすれば覚えるようにしましょう!

 

 

 

最後までご覧いただき

ありがとうございました。