こんにちは!
chem(ケム)です!
「系統分析苦手なんだよな~」
「暗記しないといけないこと多いからヤダ…」
そんなお困りのあなた!
大丈夫です!
今回はそんな
苦手が多い系統分析の陽イオン
に関して紹介していきます。
陽イオンの系統分析とは
陽イオンの系統分析とは、
水溶液中にどんな金属イオンが潜んでいるか、
を分析することを言います。
産業革命が進んだ時代、
いわゆる四台公害病が流行しました。
これらの原因となったのが、水銀HgやカドミウムCdなどの
重金属を含むイオンです。
このように、水溶液中の金属イオンを識別することは、
実用上かなり大事な作業ということです。
だから系統分析は古くから科学者取り組んだ分野で、
系統分析の手順はその過程でルール化されていったのです。
陽イオンの系統分析の方法
陽イオンの分析を適切に行うためには
一定の手順に従う必要があるのです。
つぎの手順で大きく6つのグループに分ける系統分析方法が有名です。
それぞれの段階を確認していきましょう。
①HClを入れる
まず、塩酸HClを入れることで、
Pb2+、Ag+、Hg22+を沈殿させます。
このうち、PbCl2は熱水に溶け、AgClは過剰のNH3で[Ag(NH3)2]+
となって溶けます。
最後まで解けなかったものがHg2Cl2
②酸性化でH2Sを入れる
HCl酸性下で硫化水素H2Sを入れます。
この時、酸性状態では
H2S⇄2H++S2-
上の反応式の平衡が左に進むのでS2-の量が減ります。
極少量のS2-でも沈殿しちゃうようなイオンを
ここで沈殿させているのです。
ここで沈殿するのはHg2+、Cu2+、Cd2+です。
イオン化傾向がSn以下のものとCdが沈殿しています。
③煮沸+硝酸→NH3を入れる
次にアンモニアNH3を入れて水酸化物の沈殿を作ります。
しかしその前に、
Feイオンが硫化水素H2Sに還元されてFe2+になっているので、
煮沸してH2Sを飛ばし、酸化剤である硝酸を入れてFe3+に戻します。
そしてNH3を加えることで、Al3+、Fe3+、Cr3+が沈殿します。
④塩基性でH2S
つまり、H2Sによって、Mn2+、Zn2+、Co2+、Ni2+が沈殿します。
MnSは桃色沈殿、
ZnSは白色沈殿、
CoSとNiSは黒色沈殿です。
⑤(NH4)2CO3を入れる
残っているのは1族、2族の金属のみです。
(NH4)2CO3を入れることで、2族元素であるCa2+、Ba2+、Sr2+
が沈殿します。
⑥炎色反応を見る
沈殿は作れません。
なので、最後は炎色反応で識別します。
当然のことながら、一度見ても覚えることはできません。
繰り返し見て、問題演習をすれば覚えるようにしましょう!
最後までご覧いただき
ありがとうございました。